診察室での蝶の羽ばたきは地域で竜巻を引き起こすか?

毒を以て毒を制すタイプの精神科医

【 書評 】精神科サバイバル! ―人薬に支えられて―

 

 統合失調症の当事者、はたよしみさんの著書。

 

とにかく、「言葉に力がある」というのが第一印象。

 

そして、精神科医療で行われている様々な処置が、当事者からするとかなり辛い仕打ちとして捉えられるというある意味当たり前のことを再認識させられます。

 

患者さんの命・安全を考えると、隔離・身体拘束を完全に撤廃するのは現状では困難ですが、少なくとも、その過程で、1人の人間としてきちんと理由をその都度説明することはこちらの努力だけでできるはずで。

 

以下の著者の言葉を胸に刻みたい。

 

一般の病院なら、何のために薬が必要なのかなど、病名や治療や薬の説明がきちんとなされるだろう。

混乱している時は、患者本人である私は理解できないかもしれない。でも、後々に「あの時、きちんと説明してくれたなぁ」と記憶のどこかに残るものである。

 

 

 

 

精神科サバイバル!  ―人薬に支えられて―

精神科サバイバル! ―人薬に支えられて―