診察室での蝶の羽ばたきは地域で竜巻を引き起こすか?

毒を以て毒を制すタイプの精神科医

1度で完璧に覚えようとしない。

この前、後輩が良いことを言っておりまして。

その後輩曰く……。

医学部の人は、本や論文を読んで一度で頭に入れようとして、それができないと落ち込む。

自分はそんな能力が無いのが分かっているから、2度、3度、繰り返し読んで理解する。

無駄に落ち込むことがない。

ちょっと、「なるほど」と思ってですね。
特に、一夜漬け体質の自分にとっては耳が痛い話だったのですが……言われてみれば、確かにその通りなのです。

世の中には、一度目を通しただけで内容を理解できてしまうような「天才」は確かに存在します。

また、自分が既に比較的理解している内容であれば、「ざっと読めば、その内容が大体分かる」ということもあるでしょう。
しかし、新しいことを学ぶ時は、最初は「訳が分からなくて当然」なのです。

逆に考えれば、「内容がすっと頭に入って来ない」時というのは、まだ見ぬ知識と遭遇している時、言い換えれば自分の視野が広がろうとしている時であって、その時は苦しいけど、長い目で見れば歓迎すべき状況と言えるのかもしれません。

記憶の世界でも、「関連する知識を多く持っているほど、読んだ内容が頭に残りやすい」という研究結果も存在します。

そういう意味では、「1回」 に拘らず、分かるまで何度も「繰り返す」という姿勢が重要なのかもしれませんね。